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    いろいろな質問(科学一般その2)
   
 カラー写真の原理をもう少し分かりやすく教えて下さい。
 カラー写真のフイルムの中には3つの粒子があると考えてください。
 1つは青い光を吸収して反応が起こり青の補色の黄色の色素ができます。
 2つ目は緑の光を吸収して反応が起こり緑の補色のマゼンダの色素ができます。
 3つ目は赤の光を吸収して反応が起こり赤の補色のシアンの色素ができます。

 青い光を吸収する粒子には、青い光を吸収する感光色素が入っていますので、青の光を吸収して粒子の中にある臭化銀が反応して銀ができます。青い物体をカメラで撮影した時は、ここまでの反応が起こりますが目で見ても何の変化もありません。
 カメラからフイルムを出して現像すると、粒子の中にできた銀がカプラーと反応して黄色の色素ができます。これを目で見ると、青と補色の黄色に見えます。
 次に現像したフイルムを使ってプリントします。印画紙の上に現像したフイルムを乗せ、上から光を当てます。フイルムを通った黄色の光が印画紙に当たり、黄色の色素ができます。これは、シアンとマゼンダの色素です。これで青い物体のカラー写真のできあがりです。できた色素は、シアンとマゼンダを吸収し、吸収しない青の光を反射しますので、人間には青い物体に見えます。写真は、3つの粒子の組み合わせです。

 これでも分かりにくい説明だと思います。
「光と色素の三原色」、「吸収と反射」、「補色」などを、もう一度ホームページで勉強してみてください。
 
 何らかの方法で写真に写りにくくする方法はありますか?
 非常に難しいご質問です。
 基本的には、物体に当たった光がフイルムに到達しなければよいので、光を吸収するか散乱すればよいことになります。
 光を吸収するのは黒ですので、黒い布で覆えばよいですが、写真では黒く写ってしまいます。光を反射(散乱)するのは白ですが、白い布ではやはり白く写ってしまいます。
 もう一つの方法は、シャッター速度より早く物体を動かすことです。今、流行のテレビ電話では、転送速度が遅いので、人物が一瞬消えてしまうことがあります。
 あとは、デジタルカメラであれば、パソコンで修正すれば、物体を消すことは簡単です。
 残念ながら、これ以外の答えは思いつきません。
 
 Q13に昆虫は複雑な色の仕組みと書いてありましたが、その複雑な仕組みを詳しく教えていただけませんか?
 昆虫や鳥の羽の色は、(色素の色)と(光の干渉による色)とが混ざっているので、複雑なのです。
 (色素の色)は見る方向によらず同じ色ですが、(光の干渉による色)は見る方向により色が変わるので、見分けることができます。
 
 リンクにある「色見本の館」で、色インディクスに書いてあるdexとHexとは何のことでしょうか?またそこに書いてある数字やアルファベットの意味がわかりません。
 色は赤、青などで表しますが、同じ赤でも明るい赤、暗い赤などがあります。また、鮮やかな赤、くすんだ赤などがあります。
 R, G, Bは、光の三原色で、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)のことです。いろんな色をR,G,Bの組み合わせで表します。
 Dex(decimal number、10進数、またはDec)では数字の0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 で表します。RGBに数字を入れてRGBの割合を示します。たとえば、赤は、R=204, G=0, B=0で表されます。
 Hex(hexadecimal number、16進数)では、数字とアルファベットの0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ABCDEF で表します。たとえばHexで表した赤は、R=CC, G=00, B=00で表されます。DexとHexのどちらを使っても同じ色を表すことができます。
 パソコンのWindowsに入っているソフト「ペイント」で色の編集を行うと、赤はR=255, G=0, B=0になっています。他の色を選ぶと、RGBの数字が変わってきます。その他、色合い(E)、鮮やかさ(S)、明るさ(L)の数字を変えると、RGBの数字が変わっていくのが分かります。
 RGBは光の3原色ですが、色素の3原色CMYKにも変換はできます。
 
 緑色をした植物の葉がもし緑色の光を吸収するようになると葉は何色に見えるのですか?
 どんな色の光を吸収したら、どんな色に見えるかは、Q4を見てください。
 Q4の下の方にある「光の波長と色」の図で、B, G, Rのうち、緑(G)が吸収されたので、残ったBとRが反射されることになります。すなわち、青と赤の光が反射されて出てくる光の色です。
 こんどは、同じページの上にある三原色の図を見てください。青と赤の光を混合するのですから、右側の「光の三原色」の図を見てください。青と赤の円が重なっている部分マゼンダが、青と赤の光を混合した時の色です。
 「もし植物の葉が緑色の光を吸収したら、葉はマゼンダに見える」です。
 これは、逆にたどることもできます。マゼンダの葉→青と赤を反射している→緑を吸収している。
 
 Q&Aを見ていて疑問に思ったのですが、GRBの光を混合するとすべての波長が含まれるために白色となると記述されていましたが、すべての波長が含まれると白色になる原理が、いまいちよくわかりませんので、その辺を詳しく教えてもらいたいのですが・・・。
 Q4の中頃にある「光の波長と色」の図を見てください。
 太陽光線にはいろんな波長の電磁波が含まれています。紫外線から赤外線までで、そのうち人間の目に見えるのは可視光線です。波長は約400から700nmぐらいです。太陽光線を見ていても白いと感じませんが、白い紙に太陽光線が当たると、白く見えます。白い紙は全ての波長の光を反射するからです。ですから、全ての波長を合わせると人間の目には白く見えるのです。
 この白い光を3つに分けます(プリズムなどで)。5つでも20でもいいのですが、3つに分ければ、あとはこの3つの色の混合で表せるからで、これを3原色といいます(「光の波長と色」の図を見てください)。RGBも結構幅を持ってます。たとえば、Gは500-600nmです。RGBを合わせると、400から700nmになりますので、元の白の光になることがわかると思います。
 白と黒は色ではありません(無彩色)。白は全ての波長の光を反射するもので、黒は全ての波長を吸収して反射しないものです。人間の目は、RGBの三原色を感じることができます。3つの光を感じるセンサーがあります。人間以外の動物がどうなっているかは興味がありますが、人間とは違います。いろんな色を使って、昆虫に認識させた実験があったと思います。
 

    
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