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    パソコンの色はRGBなのにプリンターのインクはなぜCMYKですか?
   

 
 RGB(赤:Red, 緑:Green, 青:Blue)は光の三原色で、CMY(シアン:Cyan, マゼンダ:Magenta, 黄:Yellow)は色素の三原色です。
 白いスクリーンに色の光を重ねていくと、だんだん白に近づきます。青は波長の短い光、緑は中間の波長、赤は波長の長い光ですから、三つ合わせると全ての長さの波長が含まれるので、太陽の光のように白く見えるのです。プリズムで白い光は虹色に分かれますが、逆に虹色が白に戻ると考えてください。色の光を加えていくので、加法混色といいます。パソコンのディスプレイは反射光ではなく画面から光を発しているので、光の三原色RGBが使われ、加法混色です。カラースキャナーやデジタルカメラも光を扱うので、RGBを使っています。
 白い紙の上にインクを重ねて塗ると、だんだん黒に近づきます。塗った黒から黄色の色素を取り出すことができると、青になります。黄色の色素は青を吸収して赤と緑を反射しているので、黄色を抜いて残った色素は青を吸収しないで青を反射するからです。色を抜いていくので、減法混色といいます。紙に塗ったインクの色は、色素により光が吸収されて吸収されない光が反射された色ですので、色素の三原色CMYが使われ、減法混色です。

RGB(光の三原色、加法混色)

CMY(色素の三原色、減法混色)

 CMYKのKはなんでしょう?Kは黒(BlacK)です。減法混色なので、CMYのインクを混合すれば黒になりますが、それはインクを重ねて塗った時です。プリンターでは、それぞれのインクは独立したドットとして印刷されます。ドットを接近させて印刷すると、人の目には混合されたように見えるのです。しかし、全ての色を接近して印刷しても、せいぜい紫かかった茶色にしか見えません。しかも、カラーインクは高価なのでカラーを重ねて印刷するのは無駄です。それよりも黒(K)を一色加えた方が効果的です。ですから、プリンターのインクはCMYKなのです。

C+M+Y=K?

 パソコンでRGBで表示された絵をどのようにプリンターのCMYKに変えるのでしょうか。それは、パソコンのソフトで行っているのです。RGBの青をCMYの青に変換するには、シアン+マゼンダにする必要があり、複雑です。ですから、変換がうまくいかないと、画面の色とは違った色でプリントされることになります。プリンターで、一つの色がなくなったり目詰まりして印刷されるとおかしな色になるのを経験したことはないですか?
 ところで、パソコンから送られたCYMKの電気信号はどのようにしてプリントされるのでしょうか。インクジェットプリンターの原理を下の図に示します。以前のプリンターでは熱をかけて泡(バブル)を作って、インクを飛ばしていましたが、最近はピエゾ(圧電)を使います。圧電性とは、物体にひずみを加えると電位差が生じることで、逆に電圧を加えるとひずみが発生します。マイクロホンや圧力センサーに使われる材料です。インク室にピエゾ板を付け、パソコンからの信号で電圧が加わるとピエゾ板がひずんでインク室を圧縮し、インク滴を紙に向かって飛ばします。
 

 

インクジェットプリンターと原理

 カラーレーザープリンターはどうなっているのでしょうか。プリンターに送られたデーターは、レーザー光により感光性ドラムに書き込まれます。ドラムには光導電体が貼ってあります。光導電体は暗いところでは絶縁体ですが、光が当たると電気が流れる材料です。ドラムの上にトナーが着き、紙に転写されます。静電気を利用するのです。

カラーレーザープリンターの原理

 感光性ドラムはあらかじめマイナスの荷電が静電的につけられていますが、レーザー光が当たると導電性になり荷電が流れてプラスになります。トナーはマイナスの荷電になっていて、ドラムのプラスの部分に着きます。次いで、紙に転写しますが、紙の裏側には強いプラスの荷電を持ったローラーがありますので、マイナスのトナーは容易に紙の方に移り、印刷されます。

レーザープリンターの 詳細

 RGB, YMC以外にも、色相(hue)、彩度(saturation)、明度(value)などによっても色を特定することができますが、パソコンやプリンターにはあまり使われません。

 

 

   
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