きれいな虹を見たことがありますか?ハワイのオアフ島はよく雨が降り虹の名所で、虹が二つ見える時もあります。ワイキキのホテル街の裏山の谷にもよく夕立があり、虹がかかります。下は、ホテルの部屋から見た写真です。
|
|
|
ハワイのワイキキです。裏の谷に雲がかかり、虹が出ました。
|
虹の色を理解するためには、光の屈折を理解する必要があります。光の速度は真空中では速いのですが、たとえば水の中に入ると遅くなります。光は電磁波ですが、水の分子も弱くて小さな磁石のようなものですので、影響を受けるからです。水の屈折率とは、真空中(c)と水中(v)での光の速度の割合(c/v)のことです。光が水の中に入ると速度が遅くなるので、曲がる(屈折する)のです。ところで、光が色素の溶液に入ると、光が吸収されてしまいます。したがって、光の強さが弱くなるのです。ですから、屈折と吸収とは違った現象です。
光は水で速度が遅くなり屈折する。色素があると光が吸収され弱くなる。
|
光の屈折は物質の影響を受けて遅くなることによるわけですから、当然物質が違うと屈折率も違います。また、同じ物質でも、光の波長が違うと、物質との影響が違ってきますので、速度が違ってきて、屈折率も違います。波長の長い赤い光は速度が速く、波長の短い青い光は速度が遅いのです。人のいないところから急に人込みに入ると、人に当たるので歩く速度は遅くなりますね。小さな子どもでしたらすいすいと人込みをくぐり抜けられますが、大きな小錦だったら速く歩けませんね。青の光は遅くてよく屈折し、赤の光は速くてあまり屈折しないのです。
赤(長波長)は速く、青(短波長)は遅い
|
小学校の理科の実験でプリズムを見たことがあるでしょう。青はよく曲がり、赤はあまり曲がらないので、色が分離したスペクトルが見えるのです。
プリズムによる太陽光の屈折
|
虹は雨上がりで太陽の光が当たった時や、水しぶきが上がる滝などで見れますね。雨や滝の水しぶきのような水滴がプリズムの役目をしているのです。太陽、水滴、人の位置関係を考えると、水滴は高いところにあるので、虹は上が赤、下が青に見えます。虹が七色かどうかはわかりません。色が分かれてスペクトルなっていますので、見る人によりもっと多いかもしれませんし、少ないかもしれません。だれかが、虹の色を七色と表現しただけのことです。
水滴による太陽光の屈折→虹
|
非常に珍しいですが、二重の虹が見えるときがあります。主虹、副虹といいます。主虹の上側にうすく副虹が現れ、色の順序は逆になります。残念ながら見たことがありませんので、お許しを得てお借りした写真を掲載いたします(http://koayu.eri.co.jp/Biwadas/wd001111.htm)。
主虹の上に副虹が見える
|
主虹は光が水滴の中で1回反射して出てきた場合で、副虹は水滴の中で2回反射して出てきた場合です。したがって、副虹では色の順序が反対になっているのです。
|