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ラック色素 (Lac colour)

ラッカインレッドR、ラッカインレッドL

 

 ラックカイガラムシの分泌液から得られた、ラッカイン酸類を主成分とするものをいう。

 カイガラムシ科ラックカイガラムシ(
Laccifer lacca KERR)の分泌する樹脂状物質より、室温時〜熱時水で抽出して得られたものである。
 主色素はアントラキノン系のラッカイン酸類。

別名:ラッカイン酸
簡略名:ラック

【食品への表示例】
ラック色素、着色料(ラッカイン酸)、着色料(ラック)

 


ラック色素溶液

   

ラッカインレッドL
50%エタノール水溶液(添加量0.09%)

【色素のpH変化】    

pH 3.0

pH 5.5

pH 8.0

ラッカインレッドL(ラック色素)添加量:0.066 %

コメント:pH 3.0で橙色、pH 5.5で赤橙色、pH 8.0で暗紫赤色になる。
ラック色素は各pH領域で比較的安定であり、酸性から中性領域にわたり優れている。
色調はコチニール色素とよく似ているが、やや暗みがあり、黄みがつよい。
水への溶解性はあまりよくない。


 ラッカイン酸。
 アントラキノン系。

 溶解性は非常に低い。
 耐熱、耐光性はコチニール色素と同等で、非常に優れている。
 酸性で橙色、中性で赤色を呈する。
 たんぱく質で紫変するが、色調安定剤(ミョウバン、酒石酸ナトリウムなど)で防止することができる。
 鉄イオンに対しては、pH 4以下で変色する。
 
     

 

ラックカイガラムシ

 

ラック樹脂

   
 中国、インド、タイなどの東南アジアに分布するラックカイガラムシのメスが分泌する樹脂状物質。
 インドのアッサム、ベンガル地方では、イヌナツメに寄生する。
 ラック色素は、安定な色素として中国では古代より使用されてきた。 
 

 

ラック樹脂

     

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