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コチニール色素 (Cochineal extract)

カルミンレッドK、カルミンレッドMK-40

 エンジムシから得られた、カルミン酸を主成分とするものをいう。
 橙色〜赤紫色を呈する。

 サボテン科のベニコイチジク(
Nopalea coccinellifera)などに寄生する、カイガラムシ科エンジムシ(Coccus cacti LINNE)の乾燥体より、温時〜熱時水で、または温時含水エタノールで抽出して得られたものである。
 主色素はアントラキノン系カルミン酸である。

別名:カルミン酸色素, Carminic acid
簡略名:カルミン酸 、コチニール

【食品への表示例】
コチニール色素、カルミン酸色素、着色料(カルミン酸)、着色料( コチニール)

 


コチニール色素溶液

   

カルミンレッドKL-80
水溶液(0.1HCl)(添加量0.07%)

【色素のpH変化】    

pH 3.0

pH 5.5

pH 8.0

カルミンレッドKL-80(コチニール色素)添加量:0.044 %

コメント:pH 3.0で橙色、pH 5.5で赤橙色、pH 8.0で暗紫赤色になる。
コチニール色素は各pH領域で比較的安定であり、酸性から中性領域にわたり優れている。



 カルミン酸。
 アントラキノン骨格を持つ。水、エタノール、プロピレングリコールなどに溶解する。
  酸性で赤橙色、中性で赤色、アルカリ性で赤紫色となる。
 熱、光、発酵に強いのが特徴。
 たんぱく質で紫変するが、色調安定剤(ミョウバン、酒石酸ナトリウムなど)で防止することができる。
 


サボテン(Opuntia ficus)の栽培地

 

エンジムシの付いたサボテン

     

エンジムシの付いたサボテン(拡大)

 

カイガラムシ科エンジムシ
Coccus cacti LINNE

     
 中南米の砂漠地帯が主要産地で、ペルーが世界の99%以上を産出する。南米ではインカ帝国時代から、衣服や装飾に利用されてきた。
 サボテンに生息するエンジムシを刷毛で落として収穫し、熱湯で殺して天日で乾かすと黒色コチニールになる。
 貯蔵している間にコチニール・グランコ(銀色コチニール)に変わる。 
  

 


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