カラーテレビにはブラウン管型と、液晶テレビがありますが、液晶テレビには色素が使われています。液晶テレビは次回にして、ここではブラウン管型カラーテレビについて説明します。
ブラウン管は、後ろに電子が飛び出す電子銃というものがあり、そこからブラウン管の表面に向かって電子が飛んできます。表面には電子が当たると光が出る物質(無機蛍光物質)が塗ってあります。赤い光が出る物質に電子が当たると赤い光が出ます。光が出る物質は、赤(R)、緑(G)、青(B)の三色で、非常に小さい粒で塗ってあります。この粒が小さいほど、解像度が高く、映像は鮮明になります。小さな粒なので、人間の目には見えず、全体の像しか見えません。カラー印刷された本を虫眼鏡で見ると、やはり色の小さいな粒からできているのがわかりますが、これと同じ仕組みです。
色の着いた光を混合する場合は、色素を混合する場合とは違っています。光の三原色は、色素の三原色とは異なり、赤(R)、緑(G)、青(B)です(下の左の図)。赤い光と緑の光を混ぜると、イエローの光になり、全てを混ぜると白になります。これを、加法混色といいます。Q4の色素の混合は、減法混色でしたね。
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光の混合(光の三原色)
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色素の混合(色素の三原色)
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それでは、光と色素の違いを考えてみましょう。ブラウン管から赤い光と緑の光が出ているとします。左の図の光の三原色から考えて、この場合には青の光が無いということです。色素で考えると、青の光が吸収され、残りの光が反射された場合と同じです。右の図を見ると、青の補色はイエローなので、イエローに見えることになります。すなわち、赤い色の光と緑の光を混ぜることは、青の光を吸収する色素の色と同じで、イエローになります。
下の図のスペクトルで考えると、波長の短い青の光が出ていないのです。赤と緑の間はイエローですね。赤(R)と緑(G)を混合すると、イエローになります。
光の波長と色
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