03  

キリヤ化学ホームページへ

 
   赤い色素とか青い色素とかがありますが、どうして色がついているのですか?
   


 まず、光の性質について知る必要があります。光はテレビや携帯電話などの電波や電子レンジのマイクロ波と同じ電磁波で、それぞれ波の長さ(波長:波の山から山までの長さ)が違います。電波の波長は1メートルぐらいですが、マイクロ波は100分の1メートルぐらい、光は1000万分の1メートルぐらいです。この光の波長を詳しく見ると、波長によって色が違います。虹やプリズムを通した光を見たことがあるでしょう。

プリズムによる太陽光の分光

 太陽光線は色が着いていませんが、プリズムを通すと光の波長によって虹色に分かれ、これをスペクトルといいます。波長の最も長いのが赤で、それより長いのは赤外線(Infrared)で目に見えません。光の波長が短くなると、黄、緑、青となり、紫が最も短い波長の光で、それより短くなると紫外線(Ultraviolet)でやはり目には見えません。400nm(ナノメーター:10-9 m)から700nmが可視光線です。可視光線の基本は光の三原色で、RGB(Red, Green, Blue)といわれます。

光の波長と色

 さて、物体が赤く見えるものは、赤の波長以外(青と緑の光)の波長の光(補色といいます)を吸収して、赤の波長だけを反射するので、私たちの目には赤く見えるのです(Q1の答えを見て下さい)。赤い色素は、その化学構造が赤の補色(青+緑=シアン、空色)を吸収するような化合物なのです。トマトのリコピンのようなカロテノイド系色素は、二重結合がたくさん並んでいるので、赤以外の波長(青と緑の光)を吸収して、赤い波長を反射して赤く見えるのです。もし赤(厳密にはマゼンダ、赤紫)の波長を吸収したら、葉の緑色に見えます。ほうれん草は波長の長い赤の波長を吸収し、波長の短い青と緑の光を反射するので、緑(青緑)に見えます。

ほうれん草は赤の光を吸収する

 赤と緑は補色の関係にありますので、緑の葉っぱの中の赤いトマトは鮮やかに見えます。苺の緑色のへたは取らずに食卓に並べた方が、苺の赤が鮮やかに見えますね。

 

   
Q&A INDEX   Q2へ    Q4へ